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小笠原弘道(NECアクセステクニカ
パーソナルコミュニケーション第三技術部)は、WARPSTARのトータルマネジメントを担当する立場にいる。現在、ルータ製品は、すべてがNEC内部で開発されているが、ISDN用ターミナルアダプタで、国内70〜75%という驚異的なシェアを誇ったAtermを筆頭に、小笠原は、ずっと関連製品を手がけてきた。
「2000年ごろから、世の中にブロードバンドが浸透しつつあって、われわれの事業自体もルータ製品にシフトしてきています。現状の出荷規模では、ターミナルアダプタよりも、ルータの方がメインですね。無線機能のついた商品として、2000年の11月に初代のWARPSTARを出荷しています。WARPSTARは、Atermのサブブランドなんですが、無線で、かつ高速、つまり、無線でとんでいくような快適さをイメージしたものです」
小笠原は83年入社で、当初はビジネスFAX関連の開発部署に配属されている。97年にはホームネットワーク商品の新しい製品として、PHS内蔵のターミナルアダプタを企画した。TA、ルータ関連のビジネスを担当するようになったのはそれ以降だ。
かつてのFAXは企業向けであり、開発期間も長かった。そして、商品のライフも長かった。それに対してTAやルータは、コンシューマー製品だ。製品サイクルが早く、コストも厳しい。小笠原は、現在の部署に配属されたとき、ちょっとしたカルチャーショックを受けたという。ただ、自分がユーザーでもあり、作ったものへのこだわりと、できあがったものへの評価が直接得られるという点ではやりがいのある製品だと思っている。
「これからのゲートウェイ商品は、日本国内の場合、無線にならないといけないと思っていました。最初に企画した製品は、PHS内蔵のTAです。AtermのIWシリーズは、業界初の64Kbps高速無線でPCと接続できるもので、ほぼ国内の市場を独占してしまいました」 |
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