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雑煮 スローフード「ふるさと食風土記」
 
第10回 列島雑煮マップ   今月は、新年にあたり雑煮を特集する。餅やだし、具の種類など全国各地で様々な雑煮が食べられている。東西の代表的と個性的な雑煮、合わせて7つを紹介しよう。
1 岩手 くるみ雑煮
三陸・岩泉地方の雑煮。汁は煮干しだしに醤油仕立て。具は根菜類、フキ、ワラビ、シメジ、豆腐など。食べ方が独特で、餅を雑煮から引き上げ、別の椀に入った甘い練りクルミに絡めて食べる。地元の年配者はおいしいことを「くるみ味がする」と言うほど美味。龍泉洞観光会館(0120-03-2963)で地方発送をしており2人前1800円
 
3 関東風雑煮
かつおだしに醤油仕立てのだしが基本。餅は切り餅で焼いてから入れる。具は鶏肉、小松菜、里芋、人参、シイタケなど彩り豊か。丸める手間のかからない切り餅、簡単に調味できる醤油、どこの農家でも作っていた里芋、精のつく鶏肉など、手早くできて栄養バランスもよい合理的な雑煮として関東地方一帯で広く食べられている
 
5 香川 あんもち雑煮
香川県でも高松、坂出、丸亀を中心とした平野部に伝わる。煮干しでとっただしに大根や金時人参を入れて煮る。そこへあん入りの丸餅を入れ、白味噌仕立てにし、最後に豆腐を入れたらできあがり。仕上げに青のりをふる。甘いものが少なかった時代には、白味噌にあんころ餅の取り合わせは、何よりのごちそうだったという
 
7 福岡 博多雑煮
だしは焼きハゼでとったものと、昆布だしを合わせ、塩と醤油で味付けをする。具は、めでたいにかけるタイや、出世魚のブリが入るのが特徴で、その他、県内で栽培されるカツオ菜やシイタケ、里芋、カマボコなどが入る。丈夫なクリの枝を削って作る「くりはい箸」で食べ、やりくりにかけて新しい年の安泰を願う習慣もあるという
 
2 宮城 仙台雑煮
焼きハゼでとっただしを醤油仕立てにする。具は、ひき菜(大根、人参、ゴボウを千切りにし、茹でて外に一晩おき凍らせたもの)、からとり(ずいき)、凍み豆腐、糸こんにゃく、かまぼこ、セリなどが入る。仕上げに焼きハゼとイクラをあしらう見た目も華やかな雑煮

 
4 京風雑煮
昆布だしに白味噌仕立てで関西地方を中心に食べられている。白味噌は通常の味噌より米麹がたくさん入っているため甘くてまろやか。具は大根、海老芋または里芋の何倍もある頭芋(かしらいも)、京人参などを使う。何事も円満にという思いを込めて丸餅を使い、具は輪切りにして丸くする
 
6 鳥取 あずき雑煮
小豆を水で煮て、塩で味付けしただけのシンプルな汁に丸餅を入れて食べる。県内でも日本海沿岸部でよく食べられているのだが、一説によると、この地域が朝鮮半島から伝来したと伝わる小豆の栽培に適していたからと言われている。その土地土地で作られる作物を具にして食べるという雑煮本来の姿を今に伝えている
 
日本列島雑煮文化圏図

東西で餅の形とだしに大きな違いが見られる。東日本は切り餅で、西日本は丸餅と大別できる。だしは、東日本はすまし汁、西日本は関西地方周辺が白味噌仕立てで、それより西がすまし汁となっている。例外として赤味噌仕立てや、小豆汁などもある
(文/中文子)
 
東西雑煮食べくらべ 東と西の雑煮の代表格、関東風雑煮と京風雑煮の作り方を紹介しよう。東京・神楽坂にある割烹「京都ぎをん和RAKU」の協力のもと作ってもらい、板前さん食べくらべをしてみた。
関東風
1 材料
具は地鶏、小松菜、干しシイタケ、里芋、人参、切り餅。だしは、鶏ガラとかつおでとり、塩、醤油、酒で味付けする
 
2 下ごしらえ
野菜類は下茹でしておく。だしにシイタケのもどし汁を少し加えて煮立たせ、醤油と塩で味を調えたものに下茹でした野菜を4、5時間ひたしておく。小松菜は下茹でし、だしが冷めてからひたす。地鶏は塩をして皮面から酒焼きにする
 
3 だし
鶏ガラでとっただしとカツオだしの分量は半々にする。味付けは、だし200ccに対し醤油は大さじ1くらい、塩と酒は味をみながら入れる



 
4 盛り付け
焼いた切り餅と具を盛り付け、だしをかけたらできあがり。熱々のだしをすすると、カツオだしと醤油の香ばしい香りに、地鶏だしのこくと深みのある味わいが広がる

富山義昭料理長(沖縄出身)の
・・・・・ ひと言・・・・・
「あっさり味の関東風雑煮が胃にもやさしくて好きですね。甘勝ちな正月料理の中で、だしと醤油のシンプルな味わいはほっと一息つけるアクセントになります」
京風
1 材料
具は、海老芋(または頭芋)、金時人参、ミニかぶ、大根。だしは白味噌に、通常は昆布だしを使うことが多いが、この店ではかつおだしを使う
 
2 下ごしらえ
関東風と同じく、野菜類は下茹でし、だしにひたしておく。ここでもミニかぶだけは下茹でし、冷めただしにひたす。今回は海老芋を使ったが、げんこつ位ある頭芋を使うこともある。これは、人のカシラになるように、との願いが込められている
 
3 だし
(上)だし200ccに対し、白味噌大さじ3くらいを溶かす。赤味噌は香りがとぶので沸騰させないが、白味噌はだしと一体になるよう一度沸かす。その時かつおだしのアクがでるのでとる
(下)白味噌だけではどろっとしていて飲みづらいので、だし200ccに対して小さじ1くらいのコーンペーストを溶かし込む。この店のオリジナルだ
 
4 盛り付け
ゆでた丸餅と具を盛り付け、最後に和からしをのせ、だしをかける。ひと口含むと、甘い!と感じた。が、和からしのためか後味はすっきり。ねとっとした味わいの海老芋が白味噌とよく合う。ミニかぶの菜は食べずに残し「名(ナ)を残す」にかけるという
林義樹総料理長(滋賀出身)の
・・・・・ ひと言・・・・・
「京風雑煮は具がシンプルな分、しっかりだしをとることがコツ。甘くてまろやかな白味噌の香りは正月だなぁという気分にさせてくれます。味噌を使うので体もよく暖まります」
 
 
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