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旅行読売編集 「旅の健康塾」 旅行読売
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植田理彦温泉博士の温泉健康法
 
第3回 上手な入浴法3 心臓、肺に負担のない入浴姿勢をとる
入浴姿勢
一、全身浴
 肩までどっぷり浸るのを全身浴と呼びます。熱い湯に肩までどっぷり浸り、顔まで紅潮して汗を流し「あ、あー。いい湯だな」というのは、日本人特有の入浴スタイルです。
 この状態は決して良い入浴の姿とはいえません。本人は気が付いていないのでしょうが、入浴でぐったり疲れた様子なのです。
 肩までどっぷり湯に浸ると、体にかかる水の重さは550kgほどで、元力士「コニシキ」と「曙」が乗っかった重さとほぼ同じです。腹は5cmも縮みます。
ですから息苦しくなりますし、脈も倍に増えて動悸がします。肺、心臓に大きな負担がかかるからです。我慢して全身浴で浸ることは、若い人のほかは避けるのがよいでしょう。高血圧の人、心臓、肺が弱い人、高齢者などはとくに全身浴はよくありません。
心臓、肺に負担のない入浴姿勢をとる
二、半身浴
 横隔膜の高さ、両側の肋骨の下縁を結んだ線まで浸るのを半身浴と呼びます。
 この深さですと、水の重さは半分に減ります。ちょうど寝たときと同じ体内の血液分布に近くなります。
 半身浴は心臓、肺にかかる負担は軽く、ゆったり楽しんで湯に浸れます。
 家庭ですと浴室が冷えていて、半身を外に出すのがちょっと気になりますから、初めは乾いたタオルを肩に掛けるか、両手で交互に肩に湯を掛けながら浸ります。5 分もすると全身が温まってきます。家庭の場合、冬は浴室を暖房機などで22度以上に保温をしておくことが大切です。温泉旅館ですと、浴室が温まっていますから問題ありません。

三、寝浴(浮き身浴)

 浮力を利用して、浴槽の縁を枕にして浮いた姿勢で浸るか、斜めに浸る姿勢です。
 水の圧力は深さに比例して、深くなればなるほど大きくなるので、体を湯の表面に近づければ、それだけ軽くなるのです。入浴で一番楽な姿勢です。日本式の浴槽より、西洋式の浴槽が体に負担が少なく楽なのです。
 温泉浴の醍醐味は、ぬるい温度で浮いた姿勢でゆったり浸ることで味わえます。夏は露天風呂がよいのですが、冬の間は温度差が大きいので避けます。雪見酒は厳禁です。

(2005年旅行読売2月号より)
 


バックナンバー
第10回 糖尿病と温泉(2) 「運動施設のある温泉で5日間湯治」

第9回 糖尿病と温泉(1) 「多くの現代人が悩む糖尿病の対処法」

第8回 上手な入浴法8 「温泉入浴を楽しむ十五ヵ条」

第7回 上手な入浴法7 「飲酒後の入浴、早朝の入浴は避ける」

第6回 上手な入浴法6 「皮膜を守って保温、美肌へ効果大」

第5回 上手な入浴法5 半身浴でゆっくりと腰を左右に回転

第4回 上手な入浴法4(入浴中) 休息をとりながら湯舟で手足の運動を

第3回 上手な入浴法3 心臓、肺に負担のない入浴姿勢をとる

第2回 上手な入浴法2(熱い湯、ぬるい湯) 体に優しい入浴は、40度付近のぬる湯にゆっくりつかる

第1回 上手な入浴法(かけ湯、かぶり湯) 「入浴前に湯を浴びてレジオネラ菌を流す」
植田 理彦 温泉療法医・医学博士 植田 理彦 温泉療法医・医学博士
1927年東京生まれ。1950年東京大学卒業後、同大物療内科で温泉医学を学ぶ。温泉療法医会顧問。1990年環境庁長官より温泉行政功労者として表彰を受ける。現在、内幸町診療所所長
植田 理彦 温泉療法医・医学博士
植田 理彦 温泉療法医・医学博士


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